生きづらさをやさしさに変える くにい かつひろ

繊細すぎて苦しかったその生きづらさこそが、人を癒す力になったと感じてます。 くにいかつひろ

過去ブログ11  不登校のゴールとは

不登校、ひきこもりという生活を送ることになった後の、目的地。目指す場所。

不登校、ひきこもりという状況になった後、どういう状態を目指せば良いのか。どういう形が目的地なのか。そのことについて僕が考えていることを今日は書こうと思います。

「セックスヘルパーの尋常ならざる情熱」という本を読んだ時に、書かれていたことで、「先行事例の徹底した研究」という話が書かれていたので、それを参考に、不登校、ひきこもりの方の支援をしようとしているものをいろいろと調べてみました。

なるほど。結構いろいろとある。そして、みんなとてもあつく、良いものもたくさんありました。僕も胸が熱くなりました。

けれども、その中で気になるものもいくつかありました。

不登校の解決、ゴール、というものが、大概「再登校」となっている、ということです。
ひきこもりの場合は、「社会復帰」。
これは、親御さんが求めていることそのままだと思うのですが、また登校し出せば、それは親は安心することでしょう。

でも、僕はこれ、非常に危険だと思ってます。

このブログでも、集団の怖さについて、触れたことがありましたが、学校というのは、「集団」です。集団には治療的側面、成長を促進させる側面があると同時に、排他的側面、破壊的側面もあります。集団の力がそういった負の力を引き起こす危険がある。
ちゃんと再登校しても問題がない環境に、学校、クラスはなっているのか。そこをきちんと評価していない段階で、とにかく子どもが再登校したと喜んだり、子どもの登校、欠席で一喜一憂することをとても懸念しています。
これは「登校」という状況を親が「喜ぶ」という行為を通して、子どもに対して外発的動機の働きかけをしていることになります。親を喜ばせたい子どもは、精神を壊してでも登校する可能性があるし、学校に行けない状況にいるときには、親をがっかりさせている、ということを通して、深く自分を否定することになります。
この仕組みはきつい。でもおうおうにしておこります。というか、不登校家庭のほとんどがこの構図ではないか。
いろいろと調べる中で、かなり多くの組織やカウンセラーや、親御さんが、登校を再開しだした、ということで成功事例のように扱っていました。僕にはものすごく違和感がある。

では、なにが解決とかゴールと言えるのか。

僕は、「不登校、ひきこもりという状況、そこに至る自分こそ、自分なんだ。この経験こそ自分の人生にとって必要なもの、得難いものだったんだ。」と実感できることです。不登校、ひきこもりを受容する、といいうことです。

これを目指して欲しい。不登校とか、ひきこもり自体をなかったかのように取り扱うのではなく、その経験こそ自分なんだ、と引き受けていけることができて、はじめて、ゴールと言えるのではないか、と思います。

これは、ゲド戦記の原作の1巻で出てくる言葉の「全き人となる」ということです。
ゲドが生み出してしまった世界を滅ぼすほどの存在、影。その影との壮絶な戦いの末、なんとか追い詰めたゲドは、目の前にした影の顔を見たときに衝撃を受けます。その顔はまさにゲド本人の顔だったのです。そこでゲドは「そうか、影は自分自身だったのだ」と気づきます。影自身を受け容れられた時に二人は統合され、「全き人となった」というくだりになります。

影は不登校やひきこもりです。これと自分を統合する。
その時こそ、最もパワフルな人生にシフトできます。

これは、不登校している最中になれる人もいるし、社会に出てしばらく経ってからそこに行き着く人がいたりと人それぞれですが、その「全き人」状態になれれば、それこそゴールでしょう。
そして新たにスタートできるはずです。

では、どうすれば、不登校、ひきこもりを受け容れることができるようになるのか。これは明後日に書きます。

僕なんかは、不登校したことを受け容れられている、というかむしろ「不登校していて本当に良かった」と思うし、「不登校こそ、じぶんの強みだ」とまで思っています。
不登校しなかった自分なんてレベル10くらい絶対しょぼい」と本気で思います。
心理学の視点から見ると、不登校してる方がむしろ一般の人生を生きている人よりも一歩先に進んでいる、と捉えることも可能です。
だから僕なんかは、「不登校してるなんて、ラッキーだよ」とか思えてしまう。
あんまり言うと炎上しそうなのでやめておきますが、(本当はもっと言いたい)そのくらいの経験に転換できます。

では、なんでそう言えるか、ということについて明日はかいてみます。

このペースではなかなか核心にいけずもどかしいですが、しょうがない。

毎日書くので、お付き合いいただけると幸いです。