生きづらさをやさしさに変える くにい かつひろ

繊細すぎて苦しかったその生きづらさこそが、人を癒す力になったと感じてます。 くにいかつひろ

職場の広報誌の連載第3弾です。

逆襲の福祉 3
 第一回目の逆襲のフクシで20年後の福祉ということをテーマにして、「相互多重型支援」「ケアの本質」「アドラー心理学」「福祉以外の専門家とコラボ」「他専門職の人材を福祉へ」「福祉とアート」「突き詰めたリアリティ」がキーポイントになると書きました。今回の逆襲のフクシではこの中からいくつか紹介したいと思います。
 まず、「相互多重型支援」です。NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」にゲストで出演していた奥田知志さんという方がいます。たつかーむが毎年参加している共同連の全国大会で奥田さんの講演があり、その中でこの言葉が出てきました。
奥田さんは北九州でホームレス支援をしている方です。奥田さんは東日本大震災の時に、石巻の漁師を支援する活動をしました。その中で被災した牡蠣の養殖産業を震災前の規模の収量につなげる支援をしただけでなく、ホームレス青年達に洗浄、箱詰め、販売の仕事を担ってもらっていました。それによりホームレス青年は被災地支援を、被災者はホームレス青年の自立支援をという双方向の支援を実現し、さらには「笑える牡蠣」という商品を開発し、震災がなくとも廃村の危機に瀕していた地域を活性化させようとしていました。
まさに「相互多重型支援」。この背景には、支援してもらい続けることで、どんどん元気を失っていった漁師たちの存在がありました。支援をされるだけの一方通行では、元気にはなれない。誰かを支援しなくては元気になれない。そこで、ホームレス青年の支援を仕組みに取り込んだ。これは、これからの福祉を考えていく上で必須になると考えています。ようするに、支援されるだけでなく、当事者が「支援をしてしまう」わけです。そうならないと、本当に幸せにはなれない。僕は、この支援の双方向性をこれからの20年で仕組みにする必要があると感じています。
 もう一つ「ケアの本質」というものも、これにリンクしてきます。これは大学時代に読んだ本のタイトルです。4年前から思い出していて、ずっとテーマにしています。本質的なケアとはなにか。例えば僕がAさんのことをケアしたとします。そしてAさんはすごく幸せになれたとする。その時に最も本質的なケアを受けているのは誰か。それは、僕なんです。誰かのことを幸せにすることができた、という事実が僕のことを本質的な幸せに繋げてくれるわけです。まさに相互多重型支援の理論を証明しているような本です。
 もうひとつ「アドラー心理学」の中でも、同じようなことが言われています。昨年最も売れた本「嫌われる勇気」の中でアドラー心理学は登場します。その中で、アドラーは「幸せとは他者貢献である」と断言しています。他者に貢献し、共同体に所属していると実感できること。これこそが幸せである、というのです。詳しくは原著を参照して欲しいのですが、この他者貢献についても、ケアの本質と同じエッセンスを感じます。
 20年後の福祉を考える時に、僕はこの3つの言葉が示していることがキーポイントになると考えています。福祉は、これからは受けるだけではダメである。誰かに与える。この要素を取り入れるべきです。児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉など、対象となる人々を支援するだけではダメです。子ども、高齢者、障がい者が誰かを支援する。この仕組みこそ必要になると思います。

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