生きづらさをやさしさに変える くにい かつひろ

繊細すぎて苦しかったその生きづらさこそが、人を癒す力になったと感じてます。 くにいかつひろ

過去ブログ26  「子どもが死ぬかもしれない」と想像してみる、、、というスキル

昨日、「アドバイスをしない」ということの難しさと必要性について書きました。

 

今日は、どうすればアドバイスをしないでいられるかということを書こうと思います。

 

これは、不登校の子どもに対してだけでなくて、子ども一般や家族関係や夫婦関係などのパートナーシップでも役に立ちそうな気がします。

 

多分。

 

 

では、はじめます。

 

まず、アドバイスをしたい、するべきだ、と考えてしまう自分がいることを知ってほしい。

相手は答えを知らないから、自分が答えを教えてあげようと思っている。

そんな自分の内心を自覚する必要がある。

 

答えは自分の中にはない。

 

答えは、「相手の中にある」。

 

たとえ、アドバイスが功を奏した時があったとしても、それは、自分が教えたからではなく、自分の言葉を媒介にして、相手が自らの答えを掘り出すことができた、ということだと僕は考えています。

 

だから、答えを教えてあげる、のではない。

 

相手の中の答えを、一緒に探す。のです。

 

この「一緒に探す」というスタンス。

これは、親御さんの中に常においていてほしい。

 

こどもも今の現状でいいとは決して思っていない。今はとにかく自分を脅かす状況から脱して、安全な場所にいることで、英気を養っているんだ、と親御さんには感じてもらいたい。

 

だから、本人がこれからの生き方を探していく過程を一緒に歩む、という感覚です。

 

一緒に歩んで、一緒に探す。

 

だから、親は答えを知らないのは当たり前。

 

 

・・・・・スキル・・・でした。

 

では、スキルです。

 

どうすれば不登校の子と一緒に歩めるか。

 

それには、アドラー心理学の「勇気づけ」というアプローチを使います。

 

具体的なスキルとしては、以前のブログで紹介した、「感謝」「感動」「共感」「喜び」を活用します。

 

でも、不登校、という状況。

 

家でなんにもしていない、不登校している我が子に、感謝とか、喜びなんて伝えようがない。

 

 

 

・・・・ここから暴論に入ります。

 

ある小学校で、放課後に児童が誤って足を滑らせてしまい、燃えさかる焼却炉に落ちてしまった、という非常に痛ましい事故がありました。

焼却炉の火が収まるのを待ち、中を調べると、焼け焦げてしまった児童が見つかりました。完全に焼けてしまっていて、どの子か判別できない。

そこで、学校の先生やPTAの役員が手分けをして、全校生の家一軒一軒に電話を入れたそうです。

 

先生「今、自宅に太郎くんはいますか?」

 

お母さん「多分、部屋に戻っていて漫画読んでると思いますけど、何かありましたか?」

 

先生からいきなり電話が来るので、なぜか、やっぱり気になり聞かれるそうです。そこで、

 

先生「実は先ほど学校の焼却炉に児童が転落してしまい・・・・・・・」

 

という事情を話します。

 

すると、「ええっ!!わかりました!すぐに見てきます!」

 

と言って、ものすごい勢いで階段を駆け上がり、2階にいる子どもを見つけると、思わず抱きつく。

 

そして、泣きながら受話器の元に戻り、「生きていました。」と無事を伝える。。。。

 

普段、勉強しない、宿題もしない、と口うるさく小言を言っていた、イライラさせられていた子どもに対しても、この時ばかりは、「生きててありがとう」と心の底から感じたのではないでしょうか。

 

そうです。

 

不登校だって、自己否定の嵐という、生死の境をくぐり抜けて、学校から抜け出して家にいてくれているかもしれないのです。

 

「今、ここにいてくれて、ありがとう」

 

と感じてください。

 

もしかしたら、本当に自殺の危険性があったかもしれないです。

それ以上に、現時点で自殺について本気で検討している、ということも考えられます。

 

 

なので、結論です。

 

 

「子どもが死んでいたかもしれない」

と思うこと。

それによって、感謝や喜びの言葉を伝えられる。

 

以前話した、「行為、doing」で見るのではなく、「存在、being」で子どもを捉える。

 

子どもの存在に感謝してください。

 

この存在に感謝する、存在を喜ぶ、という関わりを通して、子どもは、「存在、being」による「他者貢献」ができるようになります。それにより、勇気付けられる、ということです。

 

この感謝、喜ぶ、も、本当に感じていないと、子どもに伝わらないので、気をつけてください。

 

はじめはそれほど多くできない関わりかもしれませんが、ぜひ試してみてください。

 

子どもが死んでしまう、と思うと、アドバイスなんかしてられないでしょう。。。

 

・・・ちょっと暴論でしたかね。